BLOG「内藤のこうかい診療室」
2025.5.7
感性&思考「歯科医師の役割をつくり直す」

当たり前のことですが、歯科医師になろうと思ったら、歯科医師の免許を取らなければなりません。
歯科医師の免許を取るためには、歯学部のある大学を出なければなりません。
歯学部のある大学を出るためには、歯学部のある大学に入学しなければなりません。
大学に入学する年齢としては18歳~20歳くらいの人が多いでしょうか。
大学1年生は、現役で入学すると18歳、この年齢が一番多いですが、1年~2年浪人している人は結構多いですよね。
3年以上となると急に少くなる印象です。
となると、この18歳~20歳くらいで、自分が歯科医師になることを決めた人たちが歯科医師になっているということです。
おそらくこの中には、明確に歯科医師になりたいと思っている人、親が歯科医師だから当たり前に自分も歯科医師になるものだと思っている人、自分の学力で行けるところを選んだ人など、いろんな人がいると思います。
どちらかというと、歯科医師の仕事を明確に理解して、歯科医師をやりたいと思っている人のほうが、めずらしいような気がします。
だから自分に向いている仕事かどうかもよくわかっていないことがほとんどだと思います。
それに自分のこともよくわかっていないことも多いと思います。
自分がやりたいかどうか、自分に向いているかどうか、そんなことはよくわからないけど、なんとなく、学校を出て、免許をもったらそれなりにやっていけるだろう。
でも今は歯科医師も過剰で競争が激しいから、やっていけるかどうか漠然とした不安は抱えている。
そんな感じでしょうか。
何が言いたいのかというと、たぶん実際に歯科医師になるための勉強をしたり、あるいは歯科医師になってから、自分が歯科医師に向いていないかもと感じる人も多いのではないかということなんです。
いやそう感じる人が多くて当然だと思うのです。
大学に入る前の18歳~20歳の時点で、自分のことや歯科医師の仕事のことを深く理解している人のほうが珍しいと思うからです。
私もそうだったんです。
いったん別の仕事をしてから、歯科医師になりたいと思い歯学部に入りましたが、それでも今になって思うのは、自分のことも歯科医師の仕事のことも、全然理解していたわけではありませんでした。
だから正直、実際に歯科医療の勉強をして戸惑うことは多かったです。
自分からしたら違和感だらけ、しかも競争が激しいと言われている業界で自分が本当にこの仕事をやっていけるのか、やっていくべきなのか、自分に向いてないかもしれない、そんな疑問や不安もありました。
だから結構悩みました。
魅力的に見えたこの業界だったけど、自分には合っていないのか、この仕事を生涯の仕事とできるのか、自分がやる意味があるのか、とか。
さらに、自分は何がしたいのか?
どうなったら気持ちがよいの?
何ができるの?できないの?
何が好きなの?嫌いなの?
そうやってどんどん自分に疑問をぶつけていきました。
ただそうしているうちに、自分がどんな人間なのかが少しずつわかってきました。
自分のことを理解することってすごく難しいことでしたね。
自分を理解するために、他人と関わることも大事だと思います。
自分だけを見ていてはわからないことありますので。
時間がかかることでもありました。
でもそうやって自分のことを掘り下げると、自分にできることや提供できる価値も見えてきたんです。
そしてその部分と歯科医師の仕事との接点を考えたとき、今度は自分の歯科医師としての役割や価値が見えてきたのです。
それが見えてきてからは、歯科医師の仕事がとても楽になりました。
楽になったというのは、忙しくなくなったとかではなく、自分に合った形でやれていて、それが人から求められるニーズとマッチしている感覚ができたからです。
大学で歯科医師になるための勉強をして、とりあえず歯科医師になる。
与えられた選択肢の中から良さそうなものを選んで進んでいく。
このような進み方で、うまくいく人も多いとは思います。
でももし今の環境や選択肢に違和感やしんどさのある歯科医師は、まずは自分自身との対話を通して、自分自身を深堀していくステップを最初に行うことをおすすめしたいですね。
そこから自分に合う歯科医師の役割をつくり直せば良いのです。