BLOG「内藤のこうかい診療室」
2025.4.10
感性&思考「歯科医院の存在意義を変える」

多くの人達にとって、歯科医院にはどんなイメージがあるでしょうか?
自分自身、この業界に入ってからもう長くなるので、歯科医療を良く知らなかったときにどんなイメージを持っていたか思い出せなくなっています。
その時点で、自分と患者さんの間にはギャップが生まれていると思ったので、歯科医師になる前にどう感じていたか、思い出すことにしました。
思い出せるのは、子供の頃。
近所の歯科医院に通っていた覚えがあります。
歯が痛い、歯肉が膿んで腫れてきた、歯をぶつけてけがをした、そんなことがきっかけで親に連れて行かれた覚えがあります。
そのときの記憶をたどると・・・。
嫌な暗い気持ちで歯科医院の駐車場に着く。
歯科医院に入ると、スリッパに履き替える。
受付の人に診察券を出し、待つ。
薄暗く狭い待合室。
そこにはいつも多くの人が待っている。
その人たちは次から次へ呼ばれ、診療室に入る。
かなり待った後、自分の名前が呼ばれる。
「内藤さん、どうぞ~」
診療室の椅子に座る。
まだ先生は来ない。
なんだか近くから先生の声だけは聞こえる。
「今日何されるのかな?もうすぐ来るかな?」
なんて思いながら不安な気持ちで待つ。
その待っている時間もかなり長い。
ようやく先生がくる。
軽いあいさつをして、すぐに横にさせられ口を開ける。
そのままよくわからず治療を受ける。
何やら先生は自分の頭の上でしゃべっている。
何言っているのか全くわからない。
とにかく早く終わるのを必死で待つ。
終わったらホッ
「もう今日で来なくて良いのかな?」
そればかりを期待し待合室に戻る。
受付の人から会計で呼ばれる。
「1週間後にまたきてくださいね。」
また来ないといけないことがわかり愕然として帰る。
思い出してみると、できたら行きたくない、できるだけ日常からかけ離れていてほしい場所。
それが歯科医院だったような気がします。
多くの人たちにとって今でもそうなのかもしれません。
でも、それでは歯科医療の良さが全く出ていないと感じます。
悪い面ばっかりが出ている。
それではとてももったいない。
自分がこの業界に入ったから良くわかりました。
歯科医療、歯科医院をもっとうまく使えば、ものすごく健康に、そして人生にプラスになる。
でも普通の人はそれが全く理解できない。
当然だと思います。
だって自分も歯科医療をちゃんと勉強して初めてわかってきたことですから。
昔は、医療にかかる状況が続くというのは、病的で良くない状況だという考え方があったようですが、今では予防の概念がかなり浸透し、日常的に歯科医院に通院する人たちも徐々に増えてきました。
ただ、まだまだそんな人たちは少数にすぎません。
これからの歯科医院というのは、冒頭で述べたような、嫌だけど行かなければならない、日常からできるだけ遠ざけたい、マイナスをゼロに戻す場というより、人生をより健康的にするようなもう少し前向きな場に変わっていくべきだと思います。
その人の日常にちょうど良く溶け込むような形で。
そのためには、まず、歯科医院と患者さんが安心して関われることが大事です。
安心できる関わりがあるから、患者さんは前向きな気持ちになることができますし、患者さんの日常に溶け込むことができます。
そして安心できる関わりがあるからこそ、歯科医師のスキルも知識も活きてきます。
そうなれば徐々に、歯科医院のイメージや存在意義が変わってくるのではないでしょうか。