BLOG「内藤のこうかい診療室」
2025.3.23
感性&思考「患者さんと前提を合わせる」

前にも書いたことがあるかもしれませんが、私は、歯科医療において、患者さんやそのご家族と話し合いをする上で、大事にしていることは何か一つあげろと言われたら、それは前提を合わせることだと答えると思います。
前提を合わせるとは、患者さんが今どういう状態で、このままではどうなるか、どんな介入をしたら、どんなことが予想されるかなどを、歯科医と患者さんとの間で、共通認識を持つということです。
コミュニケーションによるエラーは、多くの場合、お互いの前提となる認識が異なっている場合が多いように思うからです。
歯科医側が当たり前に思っていることも、患者さんからしたら当たり前ではないこともあります。
極端な話、歯科医が患者さんにとって必要な治療だと思っていても、患者さんがその必要性を感じなければどんなに良い治療をしてもそれは迷惑でしかありません。
それに、実際どんなに歯科医が良い治療をしたとしても、患者さんの期待値を下回れば、患者さんからしたら不満になってしまいます。
だから、歯科医が必要な治療だと思うならば、なぜ必要なのかを患者さんに納得できる説明をしなければなりませんし、歯科医の事前診断や予後予測と患者さんの現状認識や期待値を合わせておく必要があります。
知識や経験、立場の違う者同士の前提が異なることは当然なのですが、できるかぎりその前提を合わせておかないと話は全くかみ合わないものなのです。
では前提を合わせるためにはどうすれば良いのでしょうか?
それは、相手のことをちゃんと知ることです。
相手がどんな人で、どんな価値観をもち、どういう言葉ならわかりやすいか、
どう理解しているかなど、相手のことを良く知らなければなりません。
そして相手を知るためには対話が必要です。
対話をすると大体わかってきます。
相手の感情や事情も見えてきます。
対話をしながらだんだんと波長と前提を合わせていくのです。