BLOG「内藤のこうかい診療室」
なぜ今、大学院で小児歯科を学ぶのか。大人の歯科診療をしてきた僕が感じたこと。

こんにちは。キューアンドエー歯科医院の院長、内藤です。
実は今、歯科医院で診療をしながら、新潟大学大学院で小児歯科を学んでいます。
「毎日の診療だけでも忙しいのに、なぜ今さら大学院に?」
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。
大人の歯科診療をしてきたからこそ
僕はこれまで、多くの大人や高齢者の歯科診療に携わってきました。
むし歯や歯周病、歯を失った方の治療だけでなく、生活習慣病や免疫疾患などの全身疾患・顎変形症の治療への関わり、さらに頭痛や肩こりなど、一見すると歯とは関係なさそうな悩みにも向き合ってきました。
もちろん、そうした不調のすべてが歯や口に原因があるわけではありません。
さまざまな患者さんと関わる中で感じてきたのは、歯や口の健康は、その人の人生に大きく関わっているということです。
食べること、話すこと、笑うこと、人と関わること。
歯や口の問題は、生活や気持ち、全身の健康、ときには人生の選択にまで影響します。
大人になってからでもできることはたくさんあります。
でも、どんなに頑張って治療しても、元には戻せないものがあることも事実です。
「もっと早くから関わることができていたら、違う未来があったのではないか」
そんな思いを抱くことが少なくありませんでした。
子どもの頃から関わるということ
だからこそ、僕は子どもの頃からの関わりを大切にしたいと考えるようになりました。
それは、単にむし歯を予防したり、歯並びをきれいにしたりすることだけではありません。
三人の子どもの父親としても感じますが、子どもの成長や発達は一人ひとり違います。
同じ方法が、すべての子どもに合うわけではありません。
今、何ができないかではなく、これから何ができるようになるのか。
今、何が問題なのかだけでなく、その子の未来にどんな可能性があるのか。
歯や口の健康だけでなく、成長や発達、生活、家族との関係まで考えながら、一人ひとりに合った関わり方を探していきたいと思っています。
なぜ大学院で学ぶのか
開業すると、診療に加えて経営の仕事もあります。休みの日には勉強会や、歯科医師会の仕事もあったり、正直、時間的にはかなり厳しいものがあります。
それでも、大学院で学びたいと思いました。
日々の診療から学べることはたくさんあります。
でも、経験だけではわからないこともあります。
自分が正しいと思ってきたことは、本当に正しいのか。
目の前の子どもにとって、どんな関わり方が望ましいのか。
臨床で感じてきた疑問を、経験だけで終わらせず、科学的な視点からも考えていきたい。
それが、大学院で学ぶ大きな理由です。
今特に関心があるのは、子ども自身が「自分にもできる」と感じられることと、口や歯の健康との関係です。
まだ研究として十分に形になっているわけではありませんが、大切にしている問いの一つです。
歯科医師が治療するだけでなく、子ども自身が少しずつできることを増やし、自分の健康に関わる力を育んでいく。
そのために歯科医療には何ができるのか、学び続けたいと思っています。
子どもの未来は、大人になってからの人生につながっている
Q&A歯科医院は、小児歯科専門の歯科医院ではありません。
僕たちが目指しているのは、子どもから大人、高齢者まで、その人の人生を通して関わることのできる総合歯科医院です。
大人の歯科診療を知っているからこそ、子どもの頃に大切にしたいことがある。
子どもの成長や発達を学ぶことで、大人の歯科医療に対する考え方も深まっていく。
子どもの頃に歯医者さんが怖くなくなった。自分で歯を磨けるようになった。自分の健康に興味を持つようになった。
そんな小さな経験の積み重ねが、10年後、20年後の人生につながっていくのだと思います。
子どもの未来を大切にすることは、その子が大人になったときの人生を大切にすることでもあります。
歯も、自分も、削らない。
今ある問題を解決するだけでなく、一人ひとりの未来の可能性を大切にする。
そんな歯科医療を実現するために、僕自身も学び続けていきたいと思っています。